親元から離れて暮らしている人の中には、一人暮らしをしている親のところに通いながら介護をしている人も少なくない。そんな一人暮らしの親を介護する上で大切なこととして挙げられているのが、親の生活や考えをある程度尊重するところだ。一人暮らしの親を介護する際には、あまり頻回に訪問できないケースもある。そうすると自分たちが介護しやすいように親の生活に関して指示したり、考えを否定して無理やり自分たちに合わせようとしてしまう人も少なくないという。それに対して親が反発することで喧嘩をしてしまうこともあり、介護や親に対するストレスを蓄積させた結果虐待に走ってしまったケースもある。
そうならないためにも親の生活や考え方を知ることが大切だ。同居していない限り、普段の生活スタイルは一人暮らし中の親の考えややり方が中心となる。そのため介護をする子供側が無理に親の生活スタイルや考え方を変えようとすると、それがストレスになって今後の介護に悪影響を与えることもあるのだ。そのため無理に親の生活や考えを変えるのではなく、ある程度尊重した上で介護しやすいように誘導していく必要がある。
また、一人暮らし中の親の周辺環境を理解しておくことも大切なことだ。離れて暮らしていると、自分たちだけではサポートしきれないときもある。そういうときには介護サービスや近隣住民の力を借りることも出てくるだろう。このため一人暮らし中の親がどのような近所づきあいをしているのか、介護サービスを利用しているのかを把握し、必要に応じて支援を受けられるように働きかけることも重要である。